Kiss or Kiss



「ではでは、隼人と綾香ちゃんの結婚を祝してカンパーイ♪」




俺と綾香が拓也の家に着いたときには既に理奈は酔っ払っていた




「何で理奈に先に飲ませてんねん」
「理奈が飲むって聞かなかったんだよっ!!俺は待てって言ったのに…」




「隼人っ!!」
「はいっ」




理奈さん、怖いんですけど…




「絶対に綾香ちゃんとお腹の赤ちゃんを幸せにしなさいよ?泣かせたりしたら許さないからね?」
「…理奈」




「綾香ちゃん、この馬鹿をよろしくね?」
「理奈さん…っ…」




綾香と理奈は泣き出してしまった




「隼人、綾香のこと幸せにしろよ?もちろん、子供もな?」
「拓也、ごめんな」
「謝ることねぇよ、幸せなら…な?」




俺の親友は最高の親友だ




「拓也、親父さんとは大丈夫なんか?」
「俺が会社を継ぐって決めたんだ、いきなりだったから驚いたみたいだけど…お前に感謝してるってよ(笑)」




俺がホストを辞めて就職先を探してるときに、拓也に言われた




"俺の親父の会社で働かねぇ?"




"お前がいない店にいてもつまんねぇし、親父に会社を継いでほしいって言われてるしな"




拓也には、いつも助けられっぱなしだ




「来年には俺があの会社を背負っていく、お前のおかげで夢ができた」
「夢?」
「俺がもっともっと、あの会社を大きくしていく」




「手伝わせてな?その夢」
「当たり前(笑)」


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