Kiss or Kiss
拓也の部屋に入ったのは久しぶり
「彼女はいいの?」
「別れたから」
「…そっか」
別れたんだ…彼女と…
「隼人の話が聞きたいんだろ?」
「…うん、拓也と隼人は知り合い?」
「俺って今は標準語だけど大阪の人間でさ、隼人とは同級生なわけ」
「…そういえば時々関西弁だったね(笑)」
「隼人とは高校のときの友達でそのときに隼人が付き合ってたのが…俺の元カノちゃん」
そういえば写真の中の3人は少し幼くみえた
「…高校を卒業してからあの2人は別れた、それで…俺はずっと隼人の彼女が好きだった」
「…うん、でもどうして東京に?」
「彼女…理奈は大学がこっちで俺は理奈と一緒に暮らすためにこっちに出てきた」
理奈…ちゃんか…
「俺がお前に声をかけたのは営業のつもりだった…でも少しずつ惹かれていった」
「…また営業?」
「…理奈は大学を辞めて今は夜の仕事をしてて…変わってしまった」
「…そうなんだ」
拓也は1枚の封筒を取り出し
「…お前に出させた金」
「…なに?」
「返す」