女っポイ俺の恋っポイ!【長編】
俺は立川を掴んでた手をゆっくり離してくるりと振り返って立川を見た
『この前の…キスなんだけどさ』
やっぱり浩平とリハーサルみたいなんした時よりうまくはいかねーけど
言いたいこと言いたい気持ちはちゃんと言う
聞いてな?
『ぅん』
立川は風で舞う長い髪の毛を手で抑えながら俺を見る
『ごめんな…?キスして』
『………』
その言葉に一瞬悲しそうな顔をした
『でもな…俺…ふざけてキスしたわけじゃない…から…俺…キスしたの初めてだし…』
ぁ……キスしたの初めてって言うはずじゃなかったのに……暴露しちったよ…恥ずかし…
バカでぇ俺…
『神崎君…キス初めてだったの?』
へ………?
そこ??
『ぁ―…はい』
『良かったぁ…私…嫌われても…ふざけてされたわけでもなかったんだ…』
少し笑顔で言う
立川…?
『あのときね神崎君がごめんって言ったでしょう?その時ね…神崎君…どんな気持ちだったの?ってふざけて?って思っちゃって』
『そか……その…さ…泣かしてごめん』
立川はニコッて笑ってううんて首を横に振った
それを聞いて気が楽になったのか
やっと立川と話せて嬉しかったのか
ふわって体の力が抜けてその場に座りこんだ