【続】インナーラブ~俺は荒海47歳~
「荒海部長は、お弁当自分で作ってるんですか?それとも、冗談じゃなくて本当に若い彼女とかいるんですか?」
どうやら俺に妻がいないことを知ったらしい。
「あははは。そうそう、ピチピチの彼女が毎朝・・・って、そんなわけないやろ!俺は、節約の為に自分で弁当作ってるだけ。でも、意外にうまいねんで。食う?」
調子に乗って、俺はイスを近づけて、山口の肩に自分の肩を当てた。
ほんのりと女性らしい香水の匂いがした。
「いいんですか?」
何、嬉しそうな顔しとんねん。
大きな口を開けて、幸せそうに俺の自慢の玉子焼きを食べた。
「うわぁ!美味しいです。部長って料理得意なんですね!」
「得意ちゃうで。せなあかんからしてるだけで、ほんまは誰かに作ってもらいたいに決まってるやろ」
「そんな調子のいいこと言って、いっぱい作ってくれる人いるくせに~」
「あ、バレた?」