【続】インナーラブ~俺は荒海47歳~
カウントダウン
ザザザザーーー
波の音。
「なぁ、真奈美は来年は何、お願いすんの?」
「秘密!」
あと10分で2009年になる。
旅館での食事を終え、俺達は海に向かっていた。
2009年の瞬間に白浜のビーチでは華やかな花火が上がると、旅館の仲居さんが教えてくれた。
「寒いなぁ!」
「でもくっついてると温かいね」
俺と真奈美は、人込みの中で手を繋いでいた。
道のいたる所から湯気が上がっているのを見て、温泉が湧いてる~と興奮している真奈美。
俺は小さい頃から当たり前のように見ていたけど、寒い中で温泉の湯気が上がっている様子は幻想的かも知れない。