バレットフィンク
きっとあのルックスを眺めだけで、キョウジとシュンスケも自分同様、ア然とするに違いない事は必然だろう。


あの格好で、尚且つエゴイズムの塊と言うのだから、もうこの時点で諦めても良いのではないのか?


と思えて来たタケシであった。


だが、ライブ代を払っている以上、観て行かないのも何だか凄く勿体ないと感じたタケシは


「まあ、せっかく来たんだし…」


と、結局ライブ観戦をする事に決めた。


演奏が開始されると同時に、タケシの全身に猛烈な衝撃が瞬時に走る。


余りに爛々としていて、尚且つ怒涛の如き勢いを余す事無く発散させて止まない、華麗に彩られたドラミングに、タケシの胸は完全に圧倒されてしまうと同時に、ものの見事に打ち抜かれてしまう…。



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