バレットフィンク
静と動の絶妙なバランス感覚は、彼にだけ備わっている玄人的才能を如実に現していた。


まさに文句の付けようが無い程のテクニックに裏打ちされた抜群なセンスの良さと来たら、全く!


彼のプレイにタケシの心は完全に魅了されると同時に、呆気無く征服されてしまった…。


「まさか、ここまでドラムを縦横無尽に叩く事の出来る人間に出会うとは…」


「これは運命的な出会いに間違いないぞ!何とか説得して4サイクルに加入させないと必ず後悔する事になりそうだな…」


と、高ぶり続ける胸中を必死に抑えながら演奏を聴き続ける。


彼等の演奏が終わった途端、タケシは急いで楽屋に向かうと、楽屋から物凄い怒号が響き渡って来た…。



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