バレットフィンク
タケシはカーライルのライブを前から5列目と言う、結構良い場所で眺める事が許されていたのである。


他のメンバー達の演奏も、パフォーマーとしての風格が存分に滲み出ていて素晴らしいが、やはりタケシにとって一番素晴らしく、尚且つ、最高に光り輝いて映るのは、文句無しに学であった。


学の奏でるギターは、力強くて音が太く、安定感があると同時に、鬼気迫る様な白熱したギターソロを、全身でリズムを取りながら弾き倒して行く姿は、まさに圧巻そのものであった。


そうかと言って、ギターばかりが前面に押し出されている訳では無いのである。


演奏自体がしっかりと統率が取れているし、音響に関しても抜群である為、全てに於いて文句無しの一品であった…。



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