夢で桜が散る頃に。



そこで、いつも『夢』は途切れる。

起きた時にいつも涙が頬に通った後があり、呼吸も少し荒い。

今日、午前中に仕事があるのに‥‥。

枕元に置いていた携帯を手に取る。
5時31分と液晶に出されている文字を確認して、パタンと閉じた時に携帯が鳴った。
パチンッと開いて確認すると、メール受信 の文字。
こんな朝早くにメールをする早起きな人っていったら、一人しかいない。

『おはようさん。今日は午前中だけ仕事やろ?』

『おはよう。そう、今日の午後からと明日はオフよ。』

『今日会わへんか?』

『いいわよ。何処で?』

『ん~、仕事何処であるんか?』

『今日は事務所内で雑誌のインタビューがあるだけ。』

といっても、6社分ある。
時間が結構掛かるわ。

『なら、そこに俺が行く。12時頃でええやろ?』

『うん、いいよ。』

『仕事、頑張りや。いってらっしゃい。』

『いってきます。』

きっと志黄はこれから、ランニングでもするのかな。
毎日毎日、鍛錬してるから。
顔を洗って、朝食を食べ、歯を磨いて、着替える。
戸締り、ガス、電気の確認。

「よし」

志黄の運命は、もう決まっているのかな。
明日がその日。

『夢』を見出して、信じれない。とは言えなくなった。
でも、信じたくない。

志黄、もしあんたが明日いなくなるのなら、



私は、どうすればいい?



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