夢で桜が散る頃に。
ポツポツと桜が開花を始め、気温も大分暖かくなってきた頃。
良く当たると評判の占い師の元へ、彼と来た。
一見、かなり胡散臭そうなんだけれど。
友達がこの占い師に診断してもらった事がまんま当たったって事が何度もあったから、お試しと思ってきたものの‥‥。
「はぁ?んなわけないやろっ」
私の診断は終わって、今は彼が診断されていた。
そ、そうよ、そんなわけない。
こんなに元気良いんだし、2週間後に死ぬなんてありえないわよ。
と思いながらも、不安という名の雨が降り注いでくるのが分かる。
「俺はまだ死ねへんで!」
彼、志黄は何やら力説しだした。
それを聞く占い師は少し困った様子。
志黄を止めようと腕を揺すったその時、肩をぐっと寄せられた。
「俺らの子供を授かっとらへんのやからな!!」
‥‥
「何言ってんのよっ!このバカっ!!」
バキッ!!と響く鈍い音に、占い師が小さな悲鳴を上げる。
殴られた頬をおさえながら志黄は、今日も元気ええなぁ。と苦笑いして呟いた。