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俺は、たかちゃんみたいに投げられれば、それでいいと思った。


他の4年生は文句をいう人もいたけれど、俺は真面目に走って、さぼらず練習に参加した。


卒業式以来、たかちゃんには会っていないけど、今でも中学の部活かシニアに入って野球を続けていると思うと、俺も頑張ることができた。

 

 こうして今年一年は走り込み、基本練習三昧で野球しか頭になかった。


たかちゃんを目標にすると、何でもできるような気がした。


一緒に入団したりょうも、俺と同じく頑張って、だんだんうまくなっていった。


「俺、キャッチャーになりたいな。だって、たかちゃんの球、うけてみたいもん」


りょうは、この一年でそんな目標も見つけていた。


俺はやっぱり、たかちゃんみたいにピッチャーやりたかった。

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