涙の終りに ~my first love~
聖子
他の男と腕を組んで校内を歩いてみたり、オレと一緒に帰る約束をドタキャンして
数人のグループで帰るなど身勝手な行動を取り、
ある時は待ち合わせ場所を体育館前など人目に付く所に変更し一時間近く待たされたりした。

「また病気が始まった・・・」

みたいな感じで呆れていると、何の前触れも無くポツンと手紙が来て一方的な別れを告げられた。
ある日突然飼い主に首輪を外され放り出され、そして数週間するとまた繋がれてしまう。
束縛って言葉の意味はこうゆう事なのかと間違った解釈をしていた。

結局、彼女がそんな具合だから中学を卒業する頃まで別れてはつき合うの繰り返しを続け
それはいつも真子の気まぐれで始まり、そして終わっていた。

もうこの頃になると勝史やマミはオレ達の事なんて気にもとめていなかった。

多分二人ともオレの不甲斐なさに呆れていたんだと思う。
いつだったか勝史はオレにはっきり言った時があった。
「男同士ならあんなに我が強くていつも主導権を握るくせに、なんで真子にはそれが出来ないのか」
それは親友だから言えた事だった、普通のヤツがオレにそんな事を言ったらその場で殴り倒していた。

本当はこんな事じゃダメなぐらい当事者のオレが痛いほどわかっている。
痛いほど分かっているから改めて口に出されると無性に腹が立った。
しかし腹が立ったところでその怒りをどうしようもなく、勝史には
「おまえもマジで人を好きになってみろよ」とオレは寂しく返していた。

やがて学業よりも精神面で色んな事を学んだ中学を卒業し、高校入学でみんなバラバラになった。
勉強をして進学校に進んだ勝史は自転車で片道30分ぐらいかけて通学し、
バスと電車を乗り継いで通学するオレは、マミや真子とたまにバスで会うぐらいになった。

通う高校が違っても勝史とはバンドを組んでいた事もあり、中学の時と変わらぬつき合いだった。

そして異性ながらもマミとは帰りのバスで会ったりすると、お互いの高校の様子なんかを笑いながら話し、時にはオレが遠回りするなどして長話しに付き合ったりした。

高校になって改めてマミを見ると
「こんなに笑顔の可愛い子なのになんで彼氏が出来ないんだろう・・・」
と不思議な気持ちだった。

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