涙の終りに ~my first love~
そのくせ相変わらずオレはマミを恋愛の対象とは思えず、
逆に男友達と話しているような安心感さえあった。

それに引き替え真子と会うのは嫌でいつもオレが逃げていた。
たとえ他の乗客が大勢いるバスの中でも、同じ空間に居る事じたい嫌で息苦しかった。

はっきり言ってオレはずっと真子を引きずっていたから
くすぶり続けてる愛の炎が燃え上がってしまうのが恐くて逃げていた。

そんなオレの心の痛み、同じ痛みを彼女は少しでも感じているのか?

一度は愛し合って同じ夢を追いかけた彼女なのに、オレの事なんかゲーム機のリセットボタンでも押すように簡単に終わらせ忘れてしまったのか・・・。

失恋の痛みがこんなに辛いものならはじめから出会わなければよかったと後悔していた。

そんな日々を重ねながら高校生活にも慣れ始めた頃、帰りのバスの中でいつも会う聖子が気になり始めていた。
聖子は小学校の時に同じクラスになった事がある程度で、
中学では接点が全く無く話した事さえなかった。

知らず知らずのうちに聖子と同じバスになる帰りの時間を楽しみにするようになっていた。
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