涙の終りに ~my first love~
不吉な思いを抱きながら電話器の前まで来てもすぐに受話器を取らず、
鳴り続ける電話を見つめ、
”頼むからオレの思い過ごしであってくれ”
と何度も祈ってから受話器を取った。
だけどその祈りも虚しく、電話の主は真子だった。
不吉な思いを振り切るように
「どうしたの? まだ待ち合わせまで早いじゃん」みたいな事を、
ワザと陽気にふるまいながらオレが言うと、無情にもあいつは
「今日ゴメン、やっぱり会うのよそう」と予感していた一番イヤなセリフを吐いた。
「マジかよッ なんで!」と強く受話器を握り締め、
そんなの絶対に嫌だという思いを込めてオレは言った。
だけど真子は「嫌! 今日はダメ!」と納得がいかない言葉を返すだけで、会わない直接の理由を言わなかった。
「今日がダメなら明日なん?」と少し開き直った感じで言うと、
「それはわからない」と今度は人の心をもてあそぶような言い方をし、絶対に納得しないオレは「理由を言え!」と怒鳴りちらした。
「理由は!!!」「とにかく今日はダメ!!!」と口喧嘩を繰り返した挙げ句、彼女の方が何か理由を言わなきゃ話しが収まらないと判断したのか、
いきなり「お腹が痛いから今日はダメ!」と言い放った。
「はあ~? 腹が痛い?」と
マジでそんな理由で会うの止めるのかと呆れてしまい、
頼むからもっと気の利いた嘘つけよと、騙される側のオレが真子を哀れんだ。
さすがに「今日はダメ、そして明日の事はわからない」などと言われ納得できるほどお人好しじゃないし、お腹が痛いなんてもちろん嘘で本当の理由は他にある。
だからどうしても会いたかったオレは、待ち合わせの時間を遅らせてもう少し様子を見たらとか、映画はやめて会うだけにしよう、一時間だけでもいいからと受話器を握り締めすがるような思いで言った。
だけど彼女の固い意思は変わらず、怒ったオレはさよならも言わず
「もういい!!!」と電話をブチ切った。
鳴り続ける電話を見つめ、
”頼むからオレの思い過ごしであってくれ”
と何度も祈ってから受話器を取った。
だけどその祈りも虚しく、電話の主は真子だった。
不吉な思いを振り切るように
「どうしたの? まだ待ち合わせまで早いじゃん」みたいな事を、
ワザと陽気にふるまいながらオレが言うと、無情にもあいつは
「今日ゴメン、やっぱり会うのよそう」と予感していた一番イヤなセリフを吐いた。
「マジかよッ なんで!」と強く受話器を握り締め、
そんなの絶対に嫌だという思いを込めてオレは言った。
だけど真子は「嫌! 今日はダメ!」と納得がいかない言葉を返すだけで、会わない直接の理由を言わなかった。
「今日がダメなら明日なん?」と少し開き直った感じで言うと、
「それはわからない」と今度は人の心をもてあそぶような言い方をし、絶対に納得しないオレは「理由を言え!」と怒鳴りちらした。
「理由は!!!」「とにかく今日はダメ!!!」と口喧嘩を繰り返した挙げ句、彼女の方が何か理由を言わなきゃ話しが収まらないと判断したのか、
いきなり「お腹が痛いから今日はダメ!」と言い放った。
「はあ~? 腹が痛い?」と
マジでそんな理由で会うの止めるのかと呆れてしまい、
頼むからもっと気の利いた嘘つけよと、騙される側のオレが真子を哀れんだ。
さすがに「今日はダメ、そして明日の事はわからない」などと言われ納得できるほどお人好しじゃないし、お腹が痛いなんてもちろん嘘で本当の理由は他にある。
だからどうしても会いたかったオレは、待ち合わせの時間を遅らせてもう少し様子を見たらとか、映画はやめて会うだけにしよう、一時間だけでもいいからと受話器を握り締めすがるような思いで言った。
だけど彼女の固い意思は変わらず、怒ったオレはさよならも言わず
「もういい!!!」と電話をブチ切った。