涙の終りに ~my first love~
「こいつ本当にいい奴だな」と思いながらシートに座り、
「ひょっとしたらオレに気があんのかな・・・ マミに限ってそんな事はないよな、
オレの考えすぎだな」なんてニヤケながら帰ったらギターの練習でもしようと
ボンヤリ窓の外を見つめていると
「今日はありがとう! はい!」といきなりマミはオレに小さな包みをくれた。
それはヒロの店でオレが話し込んでいる時にマミが買っていたものと同じで、色違いのパスケースだった。
メシをオゴッて貰ってさらにプレゼントまで悪いとオレは拒んだが、マミは強引にオレのポケットにパスケースをねじ込むと、ひとりで満足していた。
オレにしてみれば映画に誘ったといっても所詮は先生に貰ったタダ券、
それに比べマミには食事を世話になり、さらにプレゼントまで頂いたままでは
男としてもメンツが立たないと思い、近いうちに絶対何かで返そうと考えていた。
しかし簡単に返すといっても
「次はマミを何に誘おうか? 気があるのかとヘンに誤解されても困るしな・・・」
などと思いながらすれ違う対向車のヘッドライトを見つめていると、
いつの間にかバスの中はオレ達二人だけの貸切状態になっており、
エンジンの音と車内のきしむ音だけが響いていた。
「ひょっとしたらオレに気があんのかな・・・ マミに限ってそんな事はないよな、
オレの考えすぎだな」なんてニヤケながら帰ったらギターの練習でもしようと
ボンヤリ窓の外を見つめていると
「今日はありがとう! はい!」といきなりマミはオレに小さな包みをくれた。
それはヒロの店でオレが話し込んでいる時にマミが買っていたものと同じで、色違いのパスケースだった。
メシをオゴッて貰ってさらにプレゼントまで悪いとオレは拒んだが、マミは強引にオレのポケットにパスケースをねじ込むと、ひとりで満足していた。
オレにしてみれば映画に誘ったといっても所詮は先生に貰ったタダ券、
それに比べマミには食事を世話になり、さらにプレゼントまで頂いたままでは
男としてもメンツが立たないと思い、近いうちに絶対何かで返そうと考えていた。
しかし簡単に返すといっても
「次はマミを何に誘おうか? 気があるのかとヘンに誤解されても困るしな・・・」
などと思いながらすれ違う対向車のヘッドライトを見つめていると、
いつの間にかバスの中はオレ達二人だけの貸切状態になっており、
エンジンの音と車内のきしむ音だけが響いていた。