涙の終りに ~my first love~
そんな危険人物など相手にせず会場に向かおうとする勝史に座席の確保を頼むと、
オレは気付かれないよう奴の左側からコソコソと近寄って行き静かに、
危険スポットに足を踏み入れ
「集金ですか?」と声を掛けた。
するとオレに気付いた進一はいつもの人懐っこい笑顔に変わり、
オレ達は肩を抱き合って再会を祝った。
そして何気なく進一の足元に目をやると木刀を二本も隠しているのが目に入り、
オレは呆れた顔で
「進一、おまえ今日何しに来たの?」と足元を指差しながら尋ねると、
アイツはまた殺意を秘めた鋭い眼差しに変わり、
「今日はオトシまえをつけに来た。オレを裏切った奴は絶対に許さん!」と
鬼の形相で語り始め既に4人ほど手厚い御礼をしたらしかった。
どんな理由があるのかは知らないが、成人式という祝いの日にスーツでカッコ良くキメて現れると、門のところでいきなり木刀連打の洗礼を受けた被害者の方をオレは哀れんだ。
進一は続けて
「ユウジはどうせ昔の女にでも会いに来たんだろ?」と、
今日オレが式場に来た真の目的をさらりと言ってのけると、
血の滲んだ歯をのぞかせてニヤケていた。
奴は冗談のつもりで言った言葉だろうが、
オレに取っては心の奥を見透かされたカッコになりシャレになってなかった。
オレは気付かれないよう奴の左側からコソコソと近寄って行き静かに、
危険スポットに足を踏み入れ
「集金ですか?」と声を掛けた。
するとオレに気付いた進一はいつもの人懐っこい笑顔に変わり、
オレ達は肩を抱き合って再会を祝った。
そして何気なく進一の足元に目をやると木刀を二本も隠しているのが目に入り、
オレは呆れた顔で
「進一、おまえ今日何しに来たの?」と足元を指差しながら尋ねると、
アイツはまた殺意を秘めた鋭い眼差しに変わり、
「今日はオトシまえをつけに来た。オレを裏切った奴は絶対に許さん!」と
鬼の形相で語り始め既に4人ほど手厚い御礼をしたらしかった。
どんな理由があるのかは知らないが、成人式という祝いの日にスーツでカッコ良くキメて現れると、門のところでいきなり木刀連打の洗礼を受けた被害者の方をオレは哀れんだ。
進一は続けて
「ユウジはどうせ昔の女にでも会いに来たんだろ?」と、
今日オレが式場に来た真の目的をさらりと言ってのけると、
血の滲んだ歯をのぞかせてニヤケていた。
奴は冗談のつもりで言った言葉だろうが、
オレに取っては心の奥を見透かされたカッコになりシャレになってなかった。