赤りんご
「もう分かったから!機嫌直せ!飴ちゃんやるから!!」
「私子供じゃないし〜!!」
「ハハハハハハハハハハ」
水嶋くんはお腹を抱えて笑い出した。
何か私…すっかりこの人のペースにハマッてしまっているような…
「ほら!手出してみ!」
そっと左手を差し出した。
「はい!飴ちゃん!」
手の平にはりんご味の飴。
「りんご味…?」
「お前りんご好きそうだから!」
「何それ…!でもりんご味の飴、好きだよ。」
「俺も好き、ほら。」
水嶋くんはポケットからたくさんのりんご味の飴を取り出した。
りんご味ばっかりじゃん。
カワイイとこ、あるんだね。
何か不思議な感覚だ。
今さっき会ったばかりなのに、そんな気がしないのは私だけ?
とにかく居心地が良い。
「うん、おいしいね。」
二人で飴を口の中へ入れた。
「あ…何かさ」
飴の袋を見つめて言った。
「お前りんごみたいなほっぺだな!」
「えっ?」
「ほら!あの絵のりんごと同じ色のほっぺただろ!?」
水嶋くんは絵を指さして言う。