赤りんご
「そんなに珍しい?」
キョロキョロする私に、亮太はジュースを差し出してくれた。
「ありがと!…何か亮太らしい部屋だなと思って!」
「そうかあ?」
「うん!」
あ…!
亮太がくれたジュース
りんご味だ…
「亮太ってホントにりんご好きだよね!」
「たまたまだよ」
「ねえ、何で誰もいないの?」
「父さんは仕事で出張が多くてあんまり家に帰って来ないんだ」
「お母さんは?」
「母さんは俺が小5の時に離婚した。」
「そうなんだ…」
全然知らなかった…
「まあいつでも会えるんだけどな!」
「そう…」
亮太も結構複雑なんだ…
「姉ちゃんと俺と二人暮らしみたいなもんだな〜」
お姉さんが家事をこなしてるから、部屋もキレイなんだ。
「面倒見が良いお姉さんなんだね」
「あんなの、おせっかいなだけだよ…」
亮太は恥ずかしそうに笑った。