赤りんご
いつでも連絡が取れるように、咲さんは電話番号とアドレスを教えてくれた。
「亮太のことヨロシクね!」
「はい、ずっと一緒にいます!!」
その言葉に咲さんは笑っていた。
「安心した。亮太ああ見えて寂しがり屋だから。」
私にとってそれは意外ではなかった。
初めて会ったとき、りんごの木の絵を見つめる亮太の横顔に思わず見とれた。
でも、その目はどこさ寂しそうでもあったから……
何かあるのかなとは思ってた。
両親の離婚…
直接関係あるかどうかは分からないけど、多分その理由の一つかもしれない。
「何話してんだ?」
「何でもいいじゃん!」
疑った目で咲さんを見る亮太。
それからまたリビングに移動して、咲さんがケーキと紅茶を出してくれた。
「すっごいおいしいです♪」
「でしょ?ここのケーキ屋超おいしいんだよ!!」
私が遊びに来るのが楽しみで、それのために買いに行ったんだと咲さんは話してくれた。