赤りんご
「お姉さんと仲良いんだね!」
「余計なこと言われねえかヒヤヒヤしてたよ…」
亮太がいない間にいろいろ聞いちゃったけどね…!
「でも、やっぱ二人の方が俺は落ち着く。」
またドキドキさせるような笑顔でそう言ってくれた。
私は全然落ち着かないよ。
咲さんがいたから普通でいれたけど…
図書館と彼氏の部屋での二人きりは、全然違う。
別に何か期待してる訳じゃないけど、心臓が勝手にドキドキしてる。
「照れんなよ!」
亮太は笑って私の髪をクシャッと乱した。
「だって…恥ずかしいじゃん…」
「大丈夫だって!」
そう言いながら亮太は後ろから抱き着いてきた。
全然大丈夫じゃないよ…!
「余計緊張した?」
耳元で囁かれて体が急に熱くなった。
ダメ…限界…!!
ゆっくりと亮太の腕を振りほどいた。
「ゴメン…今日は帰る!」
「何で?まだいいじゃん!」