赤りんご
ずっと待っていたんだけど、りいは教室に戻って来なかった。
メールをしても返事はないし、電話にも出ない。
お昼休みが終わって、すぐに午後の部が始まってしまった。
りい…どこに行っちゃったんだろう…
保健室かな…?
もしかしたら具合悪いのかも…
一度探しに行こうかな…
由美の周りでキョロキョロしている健太が目についた。
「どうしたの?」
「いや〜亮太探してんだけど、由美見た?」
「見てないけど…水嶋くん今日来てたの?」
「昼休みまではいたんだけどな…帰ったのかなアイツ。」
昼休みまでいたんだ。
水嶋くん…
由美の勘が働いた。
もしかして、りいと一緒?
二人一緒に何処かにいるのかな。
もしそうだとしたら…
何か進展があるかも…!!
「りい…チャンスじゃん♪」
「何が?」
「何でもな〜い!」
一人で勝手に舞い上がって、探しに行くのを止めて体育祭を楽しんだ。