赤りんご
「上野…」
「水嶋くん、りいと一緒じゃないの!?」
りいは?
りいは何処にいるの?
「アイツ…軽い熱中症で今保健室にいる。」
「熱中症!?大丈夫なの?」
「うん、まあ…まだ寝てるけど。」
落ち着き払った顔だった。
水嶋くんが言うなら、きっと大丈夫なんだろう。
「アイツの着替え保健室まで持ってってくれる?」
「あ、うん。」
「俺、着替えてから保健室戻るから。」
「うん、分かった。」
教室のりいの荷物を持って保健室に行った。
寝てるって言ってたけど、昼からずっと寝てたのかな?
保健室に入ってそっとカーテンをめくると、まだりいは寝ていた。
ベッドで眠るりいの顔は幸せそう。
安心した。
きっと水嶋くん、ずっと付き添ってあげてたんだね。
りい…良かったね。
すっごい愛されてるんだね。