赤りんご






「上野…」




「水嶋くん、りいと一緒じゃないの!?」




りいは?


りいは何処にいるの?





「アイツ…軽い熱中症で今保健室にいる。」



「熱中症!?大丈夫なの?」



「うん、まあ…まだ寝てるけど。」



落ち着き払った顔だった。



水嶋くんが言うなら、きっと大丈夫なんだろう。





「アイツの着替え保健室まで持ってってくれる?」



「あ、うん。」




「俺、着替えてから保健室戻るから。」



「うん、分かった。」




教室のりいの荷物を持って保健室に行った。



寝てるって言ってたけど、昼からずっと寝てたのかな?




保健室に入ってそっとカーテンをめくると、まだりいは寝ていた。




ベッドで眠るりいの顔は幸せそう。



安心した。



きっと水嶋くん、ずっと付き添ってあげてたんだね。




りい…良かったね。





すっごい愛されてるんだね。










< 114 / 215 >

この作品をシェア

pagetop