赤りんご
「4限目のチャイムいつ鳴るの?」
「えーっと確か12時40分。」
携帯の時間は12時35分。
もうすぐお昼ご飯。
さすがに戻らなきゃ由美たちが心配しちゃう…。
「私そろそろ教室戻るね!水嶋くんは?」
「俺はもうちょいここにいる。」
「そう!じゃあ行くね!バイバイ。」
椅子から立ち上がって席を離れた。
「バイバーイ。」
水嶋くんはニコッと笑って小さく手を振った。
ガラガラガラ…
図書館を出ると、暖かい日差しのせいで余計顔が熱い。
私、やっぱり緊張してたんだ…
ちょっと悔しい。
水嶋亮太…
服装もきっちりとした、優しい目をした人だった。
黒髪の短髪で、少しくせっぽい。
良い友達と出会えた。
初めて会った気がしないくらいに、気を遣わず気軽に話せた。
また会えるかなあ…
あ…でも水嶋くんにクラス聞くの忘れちゃった。
うーん…
でも、大丈夫だよね。
また図書館に行けば会えるだろうし。