赤りんご
その3日後のこと。
昼間部屋でくつろいでいると、亮太から電話がかかってきた。
「もしもし?」
亮太から電話なんて珍しい。
すごく嬉しかった。
「あのさ、今日の夜暇?」
「夜?…暇だよ!」
「姉ちゃんいないから、飯作りに来てくれる?」
「うん、分かった!」
思わず顔がにんまりしてしまった。
咲さん、今日は彼氏の家にお泊りなんだ。
「親にちゃんと言ってから来いよ!」
「うん!」
うちの親は、理解があるからちゃんと言えば快く承諾してくれる。
夕方、亮太の家の近くの駅で待ち合わせることに。
亮太の家にご飯を作りに行くのは今日が初めてだ。
まさかあの日の約束が現実になるなんて…
電話を切った後、ドキドキが止まらなくて、クッションを抱きしめたままベッドに寝転んだ。
何作ろうかな……!