赤りんご
重なる不安
夏休みも残り10日。
楽しい夏休みは本当にあっという間だ。
亮太の家には何度かお邪魔してご飯を作る機会があった。
パスタや炒め物、一度だけ亮太と一緒にハンバーグも作った。
そのたびに新婚さん気分になって、もう幸せいっぱい。
ご飯を食べた後は一緒に後片付けをして、
リビングで一緒にテレビを見て、
アイスクリームを食べる。
「一口ちょうだい」なんて言いながら。
8時半を過ぎると、夜遅いからって、亮太は駅まで私を送ってくれる。
気がきいて優しい。
そういうところも大好き。
「いいね、ラブラブだね〜!」
そう言って羨ましがる由美。
「由美は大崎くんとはどうなの?」
夏休みに入ってからよく会っている由美と、いつものファミレスでパフェを食べていた。
「一年も付き合ってたらあんまりドキドキしないもんだよ〜。」
由美はそう言ってオレンジジュースを飲み干した。