赤りんご
昼間の3時
何故この時間なのかは分からないけど、私と亮太は普段あまり利用しない電車に乗っていた。
「ねー、どこ行くの?」
「着いてからのお楽しみだな!」
さっきからずっとこんな会話ばかり。
せっかく今日も頑張ってオシャレしたのに…
一体何処に行くんだろう…。
お楽しみの場所は相当遠いらしく、何回も電車を乗り継いだ。
少し疲れてうとうとしはじめると、亮太はりんごの飴を私の口に入れた。
「よーし、着いた!降りるぞ!」
「う、うん…!」
電車に乗って1時間半
亮太に手を引かれて電車を降りた。
ここ、何処なんだろう。
全く知らないところに着いた。
駅の外へ出ても、私たちが住んでいるようなにぎやかな街ではなく、とても静かな田舎のような所だった。
「ここ何処?」
「まあ着いて来たら分かるから!」
私は亮太に言われるがままにおとなしく着いて行った。