赤りんご
「空もキレイだね!」
「ホントだ」
海の眺めにも負けないくらいのキレイな空。
雲ひとつない青い空。
「夏休み、あっという間だったね…」
「そうだなー、いろんなとこ行ったな!」
「うん!」
二人で空を見ながら、夏休みの思い出を振り返った。
本当にあっという間だったなあ…
楽しい思い出がいっぱい詰まってる。
「来年もいろんなとこ行こうな!思い出いっぱい作ろうぜ」
「うん!」
その言葉に感動した。
来年…
亮太が想像する来年には、隣に私がいる。
私も、来年も再来年も、何十年経っても亮太の隣にいたい。
亮太からのひとつひとつの言葉が、私の心に響き渡った。
この数時間で、私は大事にされてるんだなって…何度も実感した。
そう思うと、今まで悩んでいた自分が恥ずかしくなってしまった。
こんなにちっぽけなことで悩んでいた自分が、今では信じられないくらい…。