赤りんご
私は起き上がってまた海を眺めた。
「ね、亮太…」
「どした?」
つられて起き上がった亮太に勢いよく抱き着いた。
「ずっと一緒にいたいね…」
「当たり前だろ…!」
驚く様子もなく、亮太は私の背中に手を回した。
ギュッと抱きしめ合っている間は、暑さなんて全く感じない。
久々に感じた亮太の体の温もり…
ずっとこうしたかった。
「ずっとこうしたかった…」
「………え?」
亮太の言葉に思わず聞き返してしまった。
私と同じこと、考えてたなんて…
見上げるように亮太を見つめた。
「私も、ずっとこうしたかったよ…」
亮太は驚いた顔を見せた。
「ホントに?」
「うん…」
見つめ合ったまま、少し沈黙が続いた。
恥ずかしかったけど、優しい目で私を見つめる亮太から目を反らすことが出来なかった。