赤りんご





我慢してた自分がバカみたい…



亮太は私のこと、ただ大事に想ってくれているだけなのに。




抱きしめ合うことも、


キスをすることも、




亮太は優しいから…


ずっと、我慢してくれてたんだ。





自分でも不思議だった。



こんな感情も行動も…


普通なら考えられない…こんなこと。




私は亮太に、そっとキスをしたんだ。




「あーあ…顔が真っ赤だ…」



少し驚いた後に優しく微笑んで、亮太の手が頬を撫でた。





「我慢しないでよ…」



「……え?」



「私の前で我慢しないで」




太陽が沈んで、もうすぐ秋を感じさせるような風が吹く。





二人きりの砂浜で、私は亮太のキスを、何度も何度も受け止めていた。





次第に激しくなるキス。



角度を変えて、私の唇を挟むようにキスをする亮太。



息をするのも忘れそうなくらい、私たちは夢中になってキスをした。




初めて感じた舌の温もりも…



泣きそうなくらい…


嬉しくて…幸せだった。








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