赤りんご
それから数日経って、亮太は千明さんと二人で話したらしい。
この前みたいに頭ごなしではなく、ちゃんと二人とも冷静に話すことが出来たって…。
不安だったけど、待っている間はとにかく亮太を信じつづけた。
身勝手な理由で別れを告げて、傷付けてしまったことを謝って…
それでも今は、私と一緒にいたいんだって言ってくれたらしい。
それ以外に何を話したかは聞かなかったけど、千明さんは納得してくれた。
ちゃんと話が聞けて良かったと笑ってたって…
もう二度とあんなことはしないと約束したって…。
直接私に謝りには来なかったけど、私はそれでも良かった。
千明さんが納得してくれたのなら、それで良かったと思うから。
こんな大変な経験は二度としたくないと思ったけど、でもそのおかげで、私を大事に思ってくれるみんなの存在にも気付くことが出来た。
亮太だけじゃなく、守ってくれる仲間も大事な人なんだって…
みんなに言いたい。
心から
『ありがとう』
やっと、平和な学校生活が戻ろうとしていた。