赤りんご
「ダメだよ…!バレたらヤバイよ!怒られる!」
照れ隠しに必死で言うと、亮太は笑った。
「まあでもお前が会いたいって思うんなら、俺…会いに行くよ」
ドキンとまた胸が高く鳴った。
ダメだよ…
こんなんじゃ、いくつあっても心臓が足りない。
「私も会いたい…!」
顔がだんだん赤くなる私を見て、亮太は嬉しそうに微笑んだ。
「分かった。じゃあ…頑張って会いに行くよ」
「うん!!」
「何かスリル満点だな〜!」
何でだろう…
修学旅行はずっと班行動で、ずっと一緒にいられて、自由行動の日もずっと亮太と一緒にいれるのに…
何だか、会いたいんだよね。
修学旅行なんて最後の経験になるからかな…
特別な夜だから、少しでも好きな人と過ごしたいって…思っちゃうのかな。
いけないことじゃないよね…?
修学旅行は特別だもん。
特別な思い出、たくさん作らなきゃ!
会えたらいいな…。