赤りんご




「相手男っぽいぞ?顔は見えねえけど」



「ホントに!?えみちゃんも彼氏とデートしてるんだあ!」



そっか…前に言ってたっけ。



他校の年上と付き合ってるって…


ってことは高3かあ。



こんなお店に行くくらいお金持ちなのかな!?



勝手に妄想が膨らんでいった。




「ね!相手どんな人!?気になる〜絶対イケメンだよ!!」



「やめろよな〜怪しまれるぞ!」



「いいから!亮太も見てみて!!」



急にシラッとする亮太も無理矢理巻き込んで、気付かれないように目を細めて相手がどんな人か見極めていた。




「服装は大人っぽいね…高校生には見えない感じ」



窓の枠とカーテンの間に、微かな隙間があった。



「こっからだったら見えるじゃん!」



いつの間にか亮太も興味津々…




二人で同じ視線を辿っていった。



視線の先には…えみちゃんと楽しそうにお喋りをする男の人の横顔。



ぼやけていた顔がだんだんはっきりと見えてきた。




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