赤りんご
その時……
亮太と大崎くんが、自動販売機の横のソファーに座っているのが見えた。
「健太〜!!」
姿を見つけるなり、由美は猛ダッシュで行ってしまった。
前にドキドキしないとか言ってたけど、今の由美は思いっきり恋する女の子だ。
由美も楽しそうだなー…。
私もかけ寄ると、亮太は嬉しそうに笑ってくれた。
「偶然だな!」
「うん!会えて嬉しい…!」
「じゃあそういうことなら…」
場の流れで、私と亮太は別行動をすることになった。
11時前までに戻れば大丈夫だよね。
今日はもう会えないと思ってたから…すごく嬉しい!!
「お前…スッピンでもカワイイじゃん…」
「ありがと…」
恥ずかしいけど、嬉しかった。
隣を歩く亮太を見ると、少し照れているようにも見えた。
「亮太の部屋着も良いね!」
「からかうなよ…!」
少しだぼついたパーカーのスウェットに、ジャージのズボンを履いていた。
こんな格好、滅多に見れないもんね。
何着ても似合うんだなあ。