赤りんご
駅に着いて、乗り場が違う由美とは別れた。
「また明日ね!」
「ばいばーい!」
まだ転校して一日しか経ってないけど、由美は結構信用出来そう。
一番助けてくれるし、相談もしやすいかもしれない。
階段を上ってホームで電車を待っていた。
広いホームの割にはこの時間は人が少ない。
「あれ…?」
見たことのある学ランの男子が、少し離れたところで電車を待っている。
その人に少しずつ近づくと
やっぱり……
「水嶋くん?」
「おーう!りんご!」
「は!?何それ!!」
「ハハハハハ!嘘だよ!」
勝手に変なあだ名を…
「もういいよ!!」
「ほらー怒るな!」
水嶋くんは私の頭を平手でポンッと叩いた。
ん?
何か固いもの…
水嶋くんが頭の上に載せたのはりんご味の飴。
「機嫌直った?」
飴を見てニンマリする私を見て、水嶋くんはまた笑顔になる。