赤りんご





「わー!超怪しいんですけど!」



「ちょっと話してただけだよー!」



「ホントは何してたのー?」



みんなの声を無視して、私は先に布団に潜り込んだ。




「つまんなーい!せっかくの修学旅行なのに〜!!」



由美のわざとらしい言い方に、言わなきゃいけないと思った。



みんなには負けちゃう…。



仕方ない…


恥ずかしいけど…言っちゃえー!




「……キ…キスしただけ!」



……………言っちゃったあ!



みんなが私の掛け布団を勢いよくめくった。




「やっと正直になったね!偉いぞりいちゃん♪」



「由美は健太と何にもしてないのに〜!」



「水嶋くんもやるね〜♪」




真っ赤になった私を見て「よしよし」と頭を撫でるみんな。




こうやって茶化されるのは、やっぱり恥ずかしいけど…


この三人が、私は大好き。




一緒にいて楽しいし、


すっごく頼もしい。



みんなと過ごす毎日が、


私にとっては思い出だよ。




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