赤りんご
最後の夜だから、眠くなるまで起きておこうとみんなで決めた。
全然眠くならない。
最後だからかな…
あっという間だったこの3日間を振り返ると、楽しい思い出しか出てこない。
みんなで振り返っていると、胸が熱くなって、眠ることが出来なかった。
深夜1時を過ぎた頃…
由美と彩花はもう寝てしまっていた。
「二人とも寝ちゃったね…」
「私…ちょっとトイレ行ってくる。りい先に寝てていいよ?」
「うん分かった。先生にバレないように気をつけてね!」
「ありがと!」
薄暗い部屋の中で、ニッコリ笑ってえみちゃんは静かに部屋を出た。
私も頑張って寝る努力をしよう。
布団に潜って目を閉じた。
………………………
寝れない…
寝れない…
「はあ……」
やっぱり無理だよね。
ないよね…
ちょっと期待してたんだけど…
―「夜…抜け出しちゃおっか?」
修学旅行前の、亮太の言葉…。