赤りんご
ギィッ……
鉄の錆びた鈍い音…
ドアノブが回った。
「え…?」
亮太…握ったままなのに…
ヤバイ…
そう思った時には遅かった。
ここまで来たら、もう逃げることは出来ない。
二人で覚悟を決めた。
でも…
ドアの向こうにいるのは誰?
やがてゆっくりと扉は開いた。
「あっ…!!」
「おい!お前らここで何してるんだ!?」
「うわっ…マジかよ」
何で…何で……?
暗闇の中でハッキリと見える顔。
「りい…何でここに?」
「えみちゃんも…」
ジャージを着た紺野先生と
トイレに行ったはずのえみちゃんが…
手を繋いで立っていた。