赤りんご
「俺冷たい?誰が言ってた?」
「由美とかみんな。教室に入って来たとき別人に見えた。」
「うーん俺…あんま関わりたくねえんだ、ああゆうギャルは。」
「でも、由美すっごいいい子だよ!」
やっぱり水嶋くんはシャイなんだ。
「あー健太の彼女か。それは良しとしても鈴木だっけ?俺苦手。よく話しかけられるし。」
「彩花…」
やっぱり、彩花は水嶋くんに気があるんだ。
何かちょっと…複雑。
…何で複雑になってんだろ。
でも
じゃあ何で…?
「何で私とは話すの?」
水嶋くんはためらいもなく微笑んで答えてくれた。
「図書館にいたから。」
「図書館?」
「あんな誰も来ねえ図書館、気に入るヤツなんてなかなかいないからな。」
「ふーん…なるほど。」
私の心が素直に呟いた。
図書館に行って良かった…