赤りんご
「そっか…良かった。先生も安心すると思う」
私の隣で小さくうずくまって、微笑むえみちゃん。
その横顔に、思わず見とれてしまった。
だって…
こんな風に笑うえみちゃんを見たのは、初めてだから。
初めてえみちゃんを見たとき、キレイな人だなって思った。
いつでも落ち着いていて、クールな印象だった。
でも、先生の話をしているときのえみちゃんは全然違う。
カワイイ…
やっぱり恋する女の子なんだなって…
その笑顔を見ているだけで、私も嬉しい。
それからも話題は途切れることなく、えみちゃんはいろいろ話してくれた。
「話す相手が出来て良かった。りいありがとね!」
「いつでも聞くよ!ノロケ話も、もっと聞きたいし!!」
「うん!」
「さすがに眠いね」なんて言いながら目をこすった。
「りい、もう朝だよ!」
カーテンの隙間から、少し明るい空が見えた。