赤りんご
お土産屋さんに入ると、亮太は店内を見回した。
「あ、いた」
向かったのは紺野先生のもと。
先生はお菓子を選んでいた。
そうだ…
先生に昨日のお礼言わなきゃ。
見逃してくれたんだし。
あとこの前のことも、ちゃんと話さなきゃ。
……なるほど。
亮太もそのために私を連れて来たんだね。
一人で納得していると、先生は私たちの存在に気付いた。
「どうした?お前ら」
「先生に昨日のお礼が言いたかったんだ」
「先生、ありがとう」
先生は照れ臭そうに頭をかいた。
「まあ…俺も見られちゃったし、お互い様だからな。ちゃんと部屋に戻ったのか?」
「うん、バレなかった。あと、この前の喧嘩のことももう大丈夫です」
「そっか、良かった。これからは…もっと俺にも頼ってくれ」
感心した。
こんなに素敵な先生
今まで見たことがない。