赤りんご
喜んでくれるかなあ。
思わず顔がニヤけてしまう。
電車に乗って駅に着くと、亮太はいつものように迎えに来てくれていた。
「亮太!」
「なんだ…今日は荷物多いな」
「ふふふ、後でのお楽しみだよ!」
「そっか…それよりそのワンピースかわいいな」
亮太は私の荷物をひとつ持って、ニコッと笑って私の手を握った。
やっぱりダメだ…
いまだにドキドキしちゃう。
「亮太は犯罪者だね…」
「え?」
「何でもなーい!」
スーパーに向かって歩き出すと、亮太は手をぐいっと引っ張って体をくっつけた。
「寒いのっていいよなー。こうやってくっつけるし」
「…………」
きっと亮太は自分で気付いてないんだな。
「あれ?ほっぺた赤い…また緊張させちゃった?」
「ち、違うよ!寒いからだって!」
ニヤニヤする亮太に、精一杯の言い訳をした。