赤りんご
亮太は何気にすごいことを言う。
ひとりで赤くなってる私に、本人は気付いてないみたいだけど。
ホント…亮太は私が思ってた以上に犯罪者だ。
「ごちそうさま!俺幸せ〜!ケーキ食べていい?」
「うん、いいよ!」
亮太はチョコレートケーキを一口食べた。
「……どうかな?」
「うまい!めちゃくちゃうまい!お前も食べてみろよ!」
「うん……」
半信半疑…
ケーキを一口食べてみた。
……………
味は悪くない。
「良かった…ちゃんとケーキの味だ!」
「俺のために作ってくれたんだよな…ありがとな!」
そう言って私の頭を優しく撫でる。
その手が、私は大好き。
「亮太チョコついてるよ」
口の下に付いているチョコを指で取ってあげると、亮太は恥ずかしそうに俯いた。
こういうときの亮太は、素直でホントにカワイイ。
愛しく思える瞬間。