赤りんご
突然の涙
夕食を食べ終えて後片付けをした後
亮太の部屋で、小さい頃の写真を見せてもらっていた。
「亮太の小さい頃かわいいね…」
嫌だと言って亮太は見せなかったんだけど、渋々私のわがままを聞いてくれた。
「そういうこと…言うなよ」
珍しく赤くなる亮太を見て、思わず吹き出してしまった。
そんな風に他愛ない時間を過ごしていると、
ふと時計に目がとまる。
「あ……」
もうすぐ9時…。
今日も、何もないまま帰されちゃうのかな。
そう思うと寂しくなった。
亮太と付き合い始めてもうすぐ半年。
まだキス以上のことは何もしていない。