赤りんご




私、これから亮太と…


するんだよね……




体が少し震えていた。



でも、嬉しい気持ちの方が勝っていた。




亮太がチュッと軽くキスをした。



「里衣…好きだ」



胸がこんなにもドキドキしたのは初めてだった。



初めて名前で呼んでくれた。


里衣って呼んでくれた。




唇…ほっぺた…おでこ…目…


首筋へ…優しくキスをする亮太。



「………んっ…」



声にならない声が部屋に響く。




キスをやめて、亮太は私をじっと見つめた。



「亮太……?」



目の下にポツリと何か落ちた。



「え?」



これって…



涙?




もしかして亮太…泣いてる?




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