赤りんご
ライバル
その次の日、水嶋くんは学校には来なかった。
「健太、今日水嶋くん来ないの?」
「うーん、アイツ気分屋だからなー。」
由美と大崎くんの会話が遠くに聞こえる。
水嶋くん、来てないんだ…。
「りいちゃん!」
髪を巻いた彩花が、私のそばにやってきて、水嶋くんの席に座った。
「今日髪巻いてるね!カワイイ!」
「マジで?ありがと♪」
彩花はニコッと笑って言った。
「相談があるの!」
「なに?」
何となく分かってしまった。
聞かなくても………
「水嶋くんのこと狙ってるんだあ♪りいちゃん協力して!!」
彩花直々の頼み…
心が刺し抜かれるような痛みが走る。
転校して2日目…
せっかく出来た友達の頼みを…断ることなんて出来ない。
「うん!協力する!」
「ありがとう!りいちゃん大好き〜!」
絶対裏切れないよ。