赤りんご






次の日から水嶋くんは学校に来ていた。




でも、隣の席だからといって、そんなに頻繁に口を聞かなかった。





「おはよー、ちびりんご!」



「飴ちゃんやるから消しゴム貸して」




たまにからかわれるくらいだった。





休み時間は由美たちとお喋りしているし、図書館に行く暇がない。




だからといって授業をサボッてまで図書館に行っても、絶対に会える訳ではない。





放課後は由美と一緒に帰ってるし…



帰り道水嶋くんに会うことはなかった。




彩花のために、どうやって協力したらいいのかも分からない。






学校にもようやく慣れて、二週間が経った頃…





久々に図書館に行きたくなって、朝早く学校に行った。




会えなくてもいいから、とにかく図書館に行きたかった。





ガラガラガラ…




図書館、こんな時間でも開いてるんだ。





ひんやりと冷たい空気…



ちょっと寒いくらい。








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