赤りんご





学校の帰り道




「彩花と何かあった?」



「えっ?」



「お弁当の時口聞いてなかったからね〜由美はそういうの敏感だから…!」



一番早く気付いたのは由美だった。




「彩花は…私の気持ちに気付いてる感じだった…由美、私水嶋くんのことが好きなんだ。」



「そっか…」



「彩花に協力するとか言っておいて…彩花と気まずくなっちゃった…。」





「彩花は多分嫉妬してるんだよ。授業中水嶋くんがたまにりいにちょっかいかけてるの知ってたみたいだし。」




由美とは前後で、水嶋くんとは隣同士だけど、彩花やえみちゃんは前の方の座席だった。






「それに、彩花は色々男変わってるし…今回も本気だとは思えない。」



「そうかなあ…」




でも、あの目は違う気がする。



本気の目だった…気がする。




「由美はりいのこと応援したい!」



「うん…ありがとね。」











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