赤りんご
ある日の昼休み
私と由美の席でいつものように4人でお弁当を食べていたとき。
ガラガラガラ…
3年生であろう人が、教室の扉を開けて中に入ってきた。
騒がしかった教室も、一気に静まる。
みんなの視線がその人に集まった。
茶髪のロングヘアーで、背の高いモデルのようなキレイな人だ。
周りは少しざわつき、その人はキョロキョロして誰かを探している。
「誰?3年生?」
「すっごい美人じゃん!」
「誰に用なの?」
クラスの女子も噂していた。
一度私と目が合って、その人はニコッと微笑んで言った。
「亮太…!」