赤りんご
一瞬頭の中が真っ白になった。
女子と関わろうとしない水嶋くんが…呼ばれて着いて行ったんだよ…
それって特別ってことだよね。
しかも名前で呼ばれてた。
『亮太』って…
もう…泣きたい。
「りい…大丈夫?」
心配してくれている由美の声が遠くに聞こえる。
「うん………」
10分ぐらい経って、水嶋くんは一人で教室に戻ってきた。
現実と向き合うのが怖くて、水嶋くんの顔をまともに見ることが出来ない。
由美と彩花にせかされて大崎くんが聞いた。
「亮太〜!さっきの人誰?」
クラスの子も興味津々。
思わず耳を塞ぎたくなった。
「…お前には関係ない。」
「ひどいぞ亮ちゃん!!」
水嶋くんらしい答えだ。
否定しないなんて、やっぱり彼女ってこと?
あの人は水嶋くんの特別なの?
教えてよ…水嶋くん。