赤りんご
縮まる距離
「お前最近俺のこと避けてるだろ」
「早く戻ってお弁当…食べたら?午後の部始まっちゃうよ。」
「…そんなんどうでもいい。質問に答えろよ」
「……………」
どうでもよくないじゃん。
彼女が作ったお弁当だよ?
いっそのこと、嫌われた方が楽なのかもしれない。
そしたらもっと簡単に、忘れられるのかもしれない。
「私に構わないでよ!!関係ないじゃん!」
「何言ってんだよ!お前最近変だぞ?」
「だからほっといてよ…!」
本当はこんなこと言いたくない。
泣きたいくらい苦しいよ…
「お弁当…
彼女にせっかく作ってもらったんだから、食べてあげなよ!!」
張り上げた大声が図書館に響き渡った。
今にも泣きそうな目で睨むと、水嶋くんは驚いた顔をしていた。
「何だよそれ…」
言ってしまった…
彼女のこと…。